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天に向かって唾を吐く

 今年第1四半期(1~3月期)に全世界の携帯販売台数で、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」を抜き、世界一となり、勢いづく韓国・サムスン電子だが、アップルには簡単には勝てそうもない。
 16日、アップルがアイフォーン用の部品をサムスン以外の日本企業などに発注したとの報道で、サムスンの株価が急落。時価総額で100億ドル(8030億円)が吹き飛んだ。スマホ販売ではアップルの強力なライバルのサムスン電子も、携帯端末などの部品をアップルに大量に納入する“下請け”でもある。巨人「サムスン」でもかなわないとなれば、日本の家電各社も、アップルに頼るしかなさそうだ。
 8030億円吹き飛ぶ
 16日のソウル株式市場では、米アップルがアイフォーンなど携帯端末に使う半導体メモリー(DRAM)を、日本のエルピーダに大量発注したとの報道を受け、サムスン電子株が一時、6.2%も下落し、時価総額が100億ドル減少。終値も9週間ぶりの安値を記録した。
 この騒ぎに輪をかけたのが、米アップルが今秋以降に発売するとみられるアイフォーンの次世代モデルの画面を現行機種「4S」より3割程度、大きくするというニュースだ。
 ロイター通信が東京発で伝えたところでは、アップルが次世代機種に使うディスプレーを、2007年にアイフォーンを発売して以来同じだった3.5インチから4インチに拡大することを決め、すでにサムスン以外の3社に新型ディスプレーの試作品を発注したという。その3社とは、韓国のLGディスプレー、シャープ、さらに日本の政府系ファンドの後押しでソニー、東芝、日立の中小型ディスプレー事業を統合し4月に発足したジャパンディスプレーだ。
 スマートフォン業界では、画面の大型化が進み、アップルの動向に注目が集まっており、ある意味、予想する声もあったが、それでもサムスンにとっての衝撃は大きいようだ。
 すでに3社は4インチディスプレーの試作品を製造し、アップルから発注があれば6月にも本格生産に着手できるという。そうなれば、8月には次世代アイフォーンの完成品の組み立てが始められることから、次世代のアイフォーンは、10月には発売されるとの見通しが強まっている。
 アイフォーンの画面の大型化について、ロイター通信は「消費者は機能だけでなく、美学やデザインも重視する。画面の大型化は消費者に驚きをもたらし、旧機種から新機種への買い替え需要をもたらす」とのアナリストの声を紹介している。
 「騒ぎ過ぎ」指摘も
 今回の一連の報道に対し、アップルからはコメントは出ていないが、サムスンの関係者は、DRAMの納入については、アップルから従来通りの注文を受けていると述べ、影響はないとの見方を示している。
 実際、エルピーダの実情に詳しい複数の関係者は、ロイター通信に対し、サムスン株をめぐる動きは騒ぎ過ぎだと指摘。「エルピーダはすでに生産するDRAMの半分以上をアップルに納入しているが、量的には少量に過ぎない」としている。
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